「猫はこたつで丸くなる」という有名な歌詞があるように、猫はとにかく寒さに弱いというイメージが強いですよね。
しかし「そのぶん、暑い夏は元気で問題なし」というわけでは当然ありません。
夏に猫ちゃんの不調が起こるケースも多々あるのです。
そんなときに、まず疑うべき病気として挙げられるものは以下の4つ。
1.アレルギー性皮膚炎
2.外耳炎
3.食中毒
4.熱中症
では、それぞれの病気について、予防法や対処法とともに説明していきます。
などといった症状が出ている場合は、アレルギー性皮膚炎を起こしている可能性があります。
猫のアレルギー性皮膚炎には、アトピー性のもの、食事が原因となるものなどもあります。
しかし、夏場にぐっとリスクが高くなるのは「ダニ・ノミ・蚊などが原因のアレルギー」です。
ダニ・ノミ・蚊は、そのいずれも高温多湿の夏場に大繁殖します。
そのため冬場に比べると、これらによるアレルギー性皮膚炎のリスクが格段に高くなってしまうのです。
リスクを減らす方法としてはまず、フロントラインなどのダニ・ノミ駆除剤を使うことをおすすめします。
とくにダニ除けとしては、この方法がきわめて効果的です。
ほかにも、
といった方法を併用するのがおすすめです。
蒸れた耳に雑菌・細菌が繁殖し、それが原因で炎症を起こしてしまいます。
とくに、スコティッシュフォールドのような折れ耳タイプの猫ちゃんは耳が蒸れやすい状態となっているため、外耳炎のリスクも高くなります。
予防・早期発見のためには、やはりこまめな耳のチェック&耳掃除が大切。
週に1回は耳の状態を目視でチェックし、さらに月に1~2回、ペット用のイヤークリーナーを使って耳掃除をすることをおすすめします。
耳掃除を嫌がる猫ちゃんも多いですが、そんな場合は、猫ちゃんが寝ている隙ををみて、毎日少しずつ耳掃除をするといいですよ。
嘔吐や下痢などの症状をともなう食中毒も、夏場に多く発生する病気です。
まず、当然ですが缶詰やレトルトなどのウェットフードについては「食べ残したぶんを、また食べるまでそのまま置いておく」ことは厳禁です。
食べ残しはすぐ冷蔵庫で保存し、なおかつ冷蔵保存したぶんもできるだけ当日中に与えるようにしましょう。
また「ドライフードなら安心」と、食べ残しを長時間置きっぱなしにするケースは少なくありませんが、これも危険です。
たとえドライフードであっても、猫ちゃんが一度口をつけたところからどうしても雑菌繁殖は起こりやすくなってしまうものなのです。
猫ちゃんは人や犬と比べると暑さに強いと言われていますが、油断は禁物です。
熱中症の要因には温度だけでなく湿度も関係しています。
高温なだけでなく湿度も高い日本の夏では、猫ちゃんも熱中症になってしまうことが少なくないのです。
涼しい場所に行きたがる、耳が少し熱を持っているといった症状があったら要注意。
猫ちゃんにこうした様子が見られたら、
などといった対処をして体温を下げてあげましょう。
さらに、以下のような症状が出たら危険信号です。
保冷材や冷たい濡れタオルを使った応急処置を速やかに行った上で、すぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。
とくに下記のようなケースは熱中症のリスクが高めになるので、より注意して見てあげてください。
熱中症の予防法としては、エアコンの使用はもちろんのこと、クールマットや遮光カーテンなども併用する方法がおすすめです。
また、猫を水分不足にさせないことも大切です。
などといった工夫もしておきましょう。
ふやかしたドライフードをあげていると、歯周病の原因になりますので、注意しましょう。
さて、ここまで夏に猫の具合が悪くなった際に、疑うべき病気の代表格を4つ挙げてきました。
しかし、当然のことながらここで挙げた以外の病気にもかかる可能性はあります。「この4つの病気さえ気をつけていればOK」というわけではありません。
さまざまな病気を早期発見するために日ごろから心がけておきたいポイントは、「猫ちゃんの普段の仕草や態度などをよく観察しておく」ことです。
なぜなら、猫ちゃんは不調を隠そうとする傾向が強い動物だからです。
猫ちゃんが隠そうとするぶん、飼い主さん側でしっかりと観察しておかないとちょっとした不調のサインに気づくことができません。
すると病気の発見が遅れてしまうリスクが非常に高くなります。
主な不調のサインとしては、以下のようなものが挙げられます。
このようなちょっとしたことが病気のサインになっていることは少なくありません。
もちろん、これ以外にも「何かが今までと違う」と感じることがあれば、念のために動物病院を受診することをおすすめします。
今回ご紹介したとおり、夏場の猫ちゃんに不調があった場合、とくに疑うべき病気としてはアレルギー性皮膚炎・外耳炎・食中毒・熱中症の4つが挙げられます。
猫ちゃんは不調を隠そうとする動物です。あらゆる病気の早期発見を実現するために、日頃から猫ちゃんの様子をよく観察しましょう。
「いつもとは何かが違う」という違和感に気づいたら、お気軽に当院へご相談ください。