誤嚥性肺炎って?
水、食べ物、嘔吐物、唾液などが気管から肺に入ってしまい、肺に炎症を起こす病気です。
炎症の程度にもよりますが、主な症状として呼吸困難、咳、発熱、元気の消失などの急性呼吸器症状が挙げられます。上記は比較的重度の場合で、軽度の場合はほとんど症状がみられないこともあります。
どうしてなってしまうの?
誤嚥してしまう原因として、もちろん嘔吐があげられますが、それ以外にも食道の疾患(巨大食道症など)や、神経の疾患(首の椎間板ヘルニア、重症筋無力症など)、喉の奥にある喉頭と呼ばれる部位の疾患(喉頭麻痺など)により続発して引き起こされることもあります。発症はマズルの短いフレンチ・ブルドッグ、パグなどの短頭種に多く見られ、短頭種気道症候群は胃や食道からの逆流、嘔吐を引き起こしやすいため、注意が必要です。ラブラドール・レトリーバー(喉頭麻痺を起こしやすい)、ダックスフンド(椎間板疾患を起こしやすい)もリスクが高いと報告されています。
どうしたらいいの?
自己判断をせず、呼吸状態がおかしい(苦しそうに呼吸をする、咳をする、熱っぽい)と思ったら、早めの受診をしてください。レントゲン検査を行い、炎症を起こしている肺葉(特に右中葉、右前葉、左前葉後部)が白く写ってこないかを確認します。また、血液検査では重症度合いによって白血球の増加、炎症マーカー(CRP)の上昇が確認されることもあります。比較的軽度であれば、抗菌薬の注射や、内服薬による治療も可能ですが、呼吸状態が悪く重症であると、酸素室に入り静脈内輸液、静脈内注射を行いながら、定期的にネブライザー(吸入)を用いた入院管理をする必要があります。
原因疾患を持っているとことがわかっている場合は、日頃からそこ疾患に対する対策を行うこと、そして呼吸状態の異常があれば早めの受診を心がけることが大切です。