原因は?
先天的な皮膚のバリア機能の低下によって、環境アレルゲン(ハウスダストや花粉など)が侵入しやすくなり、これが引き金となって痒みが生じます。さらに感染や寄生虫などの増悪因子が加わると、症状が悪化します。
性別に関係なく、3歳以下で認められることが多く、チワワ・トイプードル・柴犬・ウエスティ・ボストンテリア・フレンチブル・パグ・シーズー・ミニチュアシュナウザー・アメリカンコッカースパニエル・ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどが好発犬種として知られています。
症状は?
特徴的な痒みがあり、目の周り・口周り・脇の下・内股・足ウラに皮膚症状が現れ、舐める、噛む、引っ掻く、こするなどの症状を示し、発赤・脱毛・皮膚の黒ずみ、皮膚の肥厚などが認められます。また耳の中は汚れていないのに、周りが赤くて来院するケースもよくあります。
診断は?
痒みを特徴とするその他の皮膚病を除外します。また、アレルギー症状と区別するためには、IgE検査という血液検査を行ったり、食事アレルギーを除外するために、アレルギーを起こしにくい食事を与えます。
治療は?
副作用が出ないように、ステロイド剤の年間投与量を決めながら投与する方法や、インターフェロンの注射による体質改善、根本治療を目的とした減感作療法、痒みのコントロールが非常に困難な場合は、皮膚の免疫抑制剤を必要とする場合もあり、その子にあった治療方法を相談しながら進めていきます。
どの治療方法を選ぶとしても、動物病院と密な連絡を取りながら、治療を進めていく必要があります。