捻転(ねんてん)ってなに?
捻転とは、ねじれてしまう事です。食べ物やガスで膨らんだ胃がねじれてしまい、急激に全身に悪影響を起こす致死率の高い症状です。
一度に大量の飲食をする、食後の運動、ストレスなどが関与して起こります。
症状は?
急激にお腹が膨らみ、背中を丸めるような姿勢になり、落ち着きがなくなります。吐こうとしているのに何も吐けず、多量の涎をたらし、呼吸が苦しそうになり、沈うつ状態になります。
症状が重篤になると、体の中心を走る大きな血管にも影響するため、他の臓器や心臓に血液が行き渡らず、臓器の壊死や心筋虚血などを起こし、ショック状態に陥ります。このため治療が遅れると、死に至ることが多くあります。
どうしたらいいの?
まずは、胃の中に溜まっているガスや食べ物を、口からチューブを入れたり、お腹に針を刺したりして抜きます。全身状態を安定させるために、点滴なども同時に行います。
急場を凌ぐことができたら外科手術を行い、ねじれた胃を元の状態に戻します。同時に、再び捻転が起きることのない様に胃袋を縫いとめて固定する処置も行います。
手術が無事終了したら、悪化してしまった全身状態を改善するための治療を行います。
十分な治療をしても致死率は20%ほどあり、迅速な対応が必要になります。
お腹が膨らんでくる、涎が大量に出るなどの異常が認められた場合には、すぐにご来院ください。また、一度にたくさん飲食をしない、食事の直後に運動しないなど、毎日の生活にも十分注意してあげてください。