椎間板ヘルニアって?
頭蓋骨のすぐ下の首の骨から骨盤の手前まで、脊椎(せきつい)と呼ばれる円柱状の骨が、いくつも繋がっています。
脊椎の間にあって、衝撃を吸収するクッションの役割をしているのが、椎間板です。
この椎間板がはみ出して、脊髄(せきずい)という大きな神経を圧迫し、痛みや麻痺を起こす病気を椎間板ヘルニアといいます。
症状は?
痛みは、ヘルニアを起こした部位で現れます。
首で起これば、頭を動かさなくなる、頭を撫でようとすると嫌がるなどの症状で気づくことが多く、胸や腰の部分で起これば、抱いたときに痛がる、背中を丸める、動かない、などの症状で発見されることが多いです。
麻痺?
脊髄は、脳からの命令を体の各部分に伝えたり、体の各部分からの情報を脳に送ったりするための中枢神経です。
椎間板ヘルニアを発症してしまうと、発症した場所より遠くには脳からの命令が伝わりにくくなり、遠くからの情報も脳まで届かなくなります。そのため、反応が遅れたり、重症になると反応しなくなってしまいます。
治療は?
ごく軽度の症状でも、わずか数時間で重くなってしまう事もあります。
症状の程度を知るために、体のいろいろな部分を触ったり引っ張ったりして、反応を調べます。レントゲン検査もすることになります。
しかし、レントゲン検査だけでは椎間板ヘルニアであることを決定できない場合が多いので、CT、MRI、脊髄造影などの検査が必要になります。
これらの検査には麻酔をかける必要がありますので、そのための血液検査や胸部レントゲン検査なども必要になってきます。
症状が軽い場合は、内服薬と生活管理で痛みを和らげることができますが、治るわけではありませんので、再発の可能性があります。
症状が重い場合は、手術を行います。
しかし、術後もリハビリテーションや排泄の管理が必要で、後遺症が残ることもあります。
お付き合いしていく必要のある病気ですので、できるだけ軽度のうちに見つけて、治療を始めることが大切です。おかしいな、と思ったら、迷わずすぐにご来院ください。