歯周病は、歯の表面に付着している歯垢の細菌が原因で、歯の周りの組織が炎症を起こす病気です。
3歳を超えたほとんどの犬・猫がかかると言われていますが、特に小型犬と猫で多く見られます。
歯垢と歯石?
口の中の細菌や細胞の残骸、食べ物のカス、唾液の成分などが混ぜ合わさって、歯垢(しこう)ができます。
泥のような状態なので、歯みがきで取り除くことができます。
歯垢が歯について数日たつと、唾液の成分をさらに取り込んで、硬い歯石(しせき)になります。
歯石は歯みがきで取り除くことはできません。歯垢が歯石になるまでは、犬では3~5日、猫では5~7日と言われています。
どんな症状?
健康な歯はほぼ真っ白ですが、歯垢や歯石が付着すると、黄色や茶色に見えます。口の臭いがきつくなることで気づく飼い主さんも多いようです。また、歯肉(歯ぐき)が炎症を起こすため、赤くなったり腫れたりもします。
炎症が長く続くと、歯肉が弱くなってしまい、歯がグラグラしてしまったり、ついには抜けてしまったりもします。
また、炎症を起こしている歯肉の近くの皮膚や骨にも炎症が広がり、目の下や顎の下の皮膚から血液や膿が出たり、口と鼻が繋がってしまって血膿のくしゃみや鼻水が出たり、下あごが骨折してしまう事もあります。
さらに、炎症を起こした口の粘膜から血管に細菌が入ってしまい、心臓・肝臓・腎臓などに病気を引き起こしてしまう場合もあります。
どのようにして治すの?
歯周病の原因は歯垢や歯石の中にいる細菌です。歯周病の治療は、この歯垢や歯石をなくすことです。
そのために、全身麻酔をかけて超音波スケーラーで除去する処置を行います。歯垢や歯石を残らず取り除いた後は、歯の表面をつるつるに磨いて、新たな歯垢や歯石が付きにくいようにしておきます。
重度の歯周病でグラグラしている歯は、抜く必要があります。
全身麻酔での処置が行われ、口の中が一度はキレイになっても、歯周病が重度の場合は、しばらく投薬が必要かもしれません。
また、歯周病が完治したとしても、今後のデンタルケアをしっかりと行わなければ、また歯周病になってしまいます。
子犬・子猫のうちから、デンタルケアを習慣づけることが大切です。大人になってからデンタルケアを開始する場合には、徐々に口を触ることに慣れてもらう必要があります。
歯周病は、治療、予防できる病気です。お早目に、ご相談ください。