心タンポナーデってなに?
心臓の腫瘍や外傷からの出血、心不全によるうっ血、心膜内に発生した炎症などによって、心臓の周囲を覆っている心膜と心臓との間に血液などの液体が溜まり、心臓が締め付けられて循環障害を引き起こしている非常に危険な状態です。症状が現れた時には、原因に関わらず心膜に針を刺して溜まっている液体を抜き、危険な状態を回避することが必要です。
症状は?
溜まっている液体が少量で、心臓を締め付けない程度であれば全く症状は見られません。
しかし、次第に量が増えて心臓が締め付けられるようになると、急に元気や食欲が低下し、舌が白っぽい、手足や耳の先端が冷たい、咳が出るなどの症状が認められるようになります。
また、腹水が溜まってお腹が膨らむなどの症状が見られることもあります。この変化はとても急激で、元気だった動物が1日でとても悪くなることが多くあります。
どうしたらいいの?
レントゲン検査や超音波検査を行って心タンポナーデであることが診断されたら、締めつけられている心臓を解放するために、皮膚から心膜腔まで針を刺して、貯まっている液体を抜きます。危険な状態となっている全身循環を改善するために、点滴による治療を行うこともあります。その後、なぜ液体がたまったか原因を調べ、その原因に対する治療を行います。頻繁に心タンポナーデを繰り返す場合には、手術で心膜の一部を切り取ることもあります。
心タンポナーデの原因となっている病気によっては、完治しないこともあります。内服薬による治療を行うことで発症しないようにすることができる場合もあります。
急に元気がなくなったり、苦しそうになった時には、すぐにご来院ください。
当院では心臓検診を行っております。お気軽にご相談ください。