門脈体循環シャントって?
消化管で吸収した栄養分や毒素を肝臓に運ぶ「門脈」という血管に、余分な横道の血管(シャント)ができてしまい、別の血管に血液が送られてしまう病気です。
本来、肝臓に運ばれるはずの血液が、体中に流れてしまうため、栄養分が不足したり、毒素が増えてしまい、成長不良や神経症状などを起こします。
どうなってしまうの?
門脈体循環シャントには先天性と後天性の2種類があります。
先天性では成長不良が特徴で、一緒に生まれたほかの兄弟よりも小さく、動きが少ないことで発見されます。
後天性の場合は、慢性肝炎や肝硬変などの肝臓の病気が原因で起こることが多く、典型的な症状は、涎を垂らす、じっとして動かない(沈うつ)、食後に徘徊をする、けいれん発作などの神経症状です。
血尿や、尿のにおいがおかしいなどの症状で膀胱結石に気が付いて、たまたま門脈体循環シャントが発見されることもあります。
しかし、症状が全くない場合もあります。
どうしたらいいの?
門脈体循環シャントを疑ったら、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。主に肝臓の機能や大きさを検査し、さらに詳しい血液検査やCT検査を行う場合もあります。
門脈体循環シャントであることがわかったら、具体的な治療を行うことになります。
先天性の場合は多くはシャント(余分な横道の血管)を糸などで縛って血液が通れなくする手術で治療できますが、難しい手術です。
後天性の場合は手術で治療することはできません。肝臓の病理組織検査の結果により、行う治療は異なります。完治は望めませんが、上手に付き合っていくことができる場合も多くあります。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、病気が重度になるまで症状が出ない場合も多くあります。定期的な血液検査や健康診断で早期発見に努めてあげてください。
健康診断の血液検査、ペットドックについては、いつでもお気軽にご相談ください。