骨肉腫って?
骨肉腫は骨と軟骨に発生する悪性腫瘍です。小型犬よりも大型犬での発生が多く、犬では骨に発生する腫瘍の90%以上が骨肉腫であると言われています。転移が早く死亡率の高い腫瘍として知られています。
発症する平均年齢は7歳程度と言われていますが、若くてももっと高齢でも発症の可能性はあります。
症状は?
四肢に腫瘍ができることが多く、初期には足を痛がりかばうような歩き方をします。鎮痛剤などで一時的に改善することはあっても、腫瘍の進行に伴って痛みも悪化し、患部が腫れてきます。
骨肉腫は進行が速く、早期の段階で転移しやすい腫瘍です。特に肺への転移が多くみられ、この場合は呼吸困難などの症状が現れます。
小型犬や中型犬では、四肢よりも体幹の骨格に発生する割合が高くなるようです。
どうしたらいいの?
犬種や年齢、発生部位などを元にレントゲン検査やCT検査、細胞診や組織生検などを行いますが、悪性腫瘍は進行が速く、検査に時間をかけると治療の開始が遅れてしまい、手遅れになる危険性もあるため、検査よりも治療を優先する場合もあります。骨肉腫のできている場所や、転移があるかどうかによって治療を選択します。
転移がなく、手術で切除できる部分に骨肉腫が発生している場合は、手術で切除します。この場合、転移や再発の可能性を少しでも減らすために、周囲の正常な部分も含めて大きく切除する必要があります。そのため、足の骨肉腫ならほとんどの場合、断脚を行います。さらに手術後に抗がん剤治療を行う場合もあります。
すでに転移などがあり、手術を選択できない場合には、抗がん剤や放射線による治療を行うことになります。
発症の原因がわからないので、予防することは難しい病気です。そのため早期発見と早期治療が重要となりますので、日ごろから歩行の様子などをよく観察し、跛行などの症状があればできるだけ早く受診してください。