精巣は、胎児の頃や産まれたばかりの頃にはお腹の中にありますが、生後3か月頃までには、左右の精巣がそろって股間にある陰嚢の中に位置するようになります。
しかし、生後半年を過ぎても、精巣が陰嚢の中になく、お腹の中や後肢の付け根あたりに留まってしまった場合、潜在精巣と呼びます。
病気なの?
繁殖できる月齢になると、精巣で精子が作られますが、精巣が陰嚢の中にあって体温よりも低い温度でないと、精巣は精子を作ることができません。
潜在精巣の場合、陰嚢の中よりも高い温度環境にあるため、精子が作られません。また、潜在精巣は陰嚢の中にある精巣よりも、腫瘍が起こりやすくなります。
どのようにして治すの?
左右のうち、片方だけが潜在精巣である場合は、陰嚢の中にある方の精巣で精子が作られるため、繁殖に用いて子供を誕生させることは可能です。
しかし、潜在精巣は、子孫に遺伝する疾患ですので、繁殖に使用することは良くありません。また、腫瘍化する危険もあります。外科手術により精巣を摘出することが勧められます。
当院では、交配をする予定がないのであれば、たとえ潜在精巣でなくても、去勢手術をお勧めしています。将来の病気のリスクを減らしてあげるためにも、ぜひ考えてあげてください。