ぶどう膜炎って?
眼の中にあるぶどう膜に炎症が起きた状態で、進行すると失明のリスクもある病気です。ぶどう膜とは、眼の中の虹彩、毛様体、脈絡膜という3つの部位を指し、血管や色素を多く含む部位のため、黒く見える組織です。その血管から血流に乗って眼の中に異物が入り込まないように存在しているバリアー(血液関門)が何らかの原因で破壊されてしまうことで、ぶどう膜に炎症が生じます。発症すると目に痛みを生じるため、初期症状としては目をしょぼしょぼさせて気にする素振りが増える、涙の量が増える、目脂の量が増えるなどがみられます。そして次第に充血が見られ、黒目の部分(虹彩)、眼の表面(角膜)に混濁が見られるようになってきます。
どうしてなってしまうの?
ぶどう膜炎の原因は様々で、感染性、代謝性、外傷性、腫瘍性、薬品によるもの、免疫性などが主にあげられます。特に犬では免疫性の免疫介在性ぶどう膜炎が多く、これは白内障を放置することによって発症するため、高齢の白内障をもつ犬には注意が必要です。外傷性では目の表面の角膜に傷ができることによって発症するもの、猫では感染性である猫伝染性腹膜炎(FIP)によって起こるぶどう膜炎が有名です。検査をしても原因が不明なぶどう膜炎もあり、それは特発性ぶどう膜炎といいます。
どうしたらいいの?
治療には炎症を取ってあげる目薬や抗生剤、ステロイドの目薬や内服を使用します。また、原因となっている病気の治療をすることもあります。ぶどう膜炎は進行すると失明のリスクもあるため、早期発見が重要です。普段から目を気にする素振りが無いかどうか気にかけてあげて、何か異常がある場合は早めの受診が重要です。