避妊手術を行うことには、利点と欠点があります。
しかし、子犬・子猫を産ませようと考えていないのであれば、欠点の発生頻度より利点のほうがはるかに大きいと考えます。
今回は、利点と欠点それぞれを細かく挙げてみます。
犬・猫にとっての利点
- 犬では将来、乳腺腫瘍や乳腺ガンになる確率が低くなります。その確率は初回の発情が訪れる前に手術した場合が最も低く、2回目の発情がおとずれる前に手術した場合がその次に低くなります。猫でも、乳腺腫瘍が予防できる確率が高いと言われています。
- 犬も猫も将来的に卵巣や子宮の病気にかかることがありません。
- 犬にみられる、偽妊娠を起こすことがなくなります。偽妊娠の兆候が強い犬は、乳腺が腫れて、乳腺炎を起こしたり食欲が極端に無くなったりします。
飼い主様にとっての利点
- 犬の発情期間はやや長く、性格が神経質になったり膣からの出血があったりしますが、そのための世話をする必要がなくなります。猫の発情期は2-8月ですが、その間に発する独特の大きな鳴き声が聞かれなくなります。
- すべての犬猫にあてはまるわけではありませんが、性格が穏やかになることがあります。
犬猫にとっての欠点
- 避妊手術を行うことで、代謝率が下がり太りやすくなります。しかし、肥満の原因はさまざまですので、避妊手術が原因とは限りません。
- 品種や種の保存ができなくなります
- 避妊手術のための麻酔が必要なため、麻酔のリスクを背負う必要があります。(麻酔のリスクを最小限にするために、当院では術前検査を実施しています)。
飼い主様にとっての欠点
極めてまれな事象ですが、避妊手術を行うことで性格がきつくなる場合があります。