クッシングって?
クッシング症候群は、日本語では「副腎皮質機能亢進症」といいます。
腎臓のすぐ近くにある副腎という臓器の、一番外側の部分である皮質の働きが正常より多すぎてしまう病気です。
副腎皮質からはコルチゾールというホルモンが出ていて、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝をコントロールしています。
このコルチゾールが出過ぎてしまうのがクッシング症候群です。
クッシングさんが見つけた病気なのでこの名前がついています。
症状は?
クッシング症候群のほとんどの原因は、脳下垂体の腫瘍です。脳下垂体はACTHと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモンを出して、副腎に「ホルモンを出してください」と指令します。脳下垂体に腫瘍ができるとこの指令が出過ぎてしまうため、コルチゾールも出過ぎてしまいます。
副腎そのものが腫瘍になる事でクッシング症候群にかかる場合もあります。
クッシング症候群にかかると、ほとんどの場合は、多飲多尿(たくさん水を飲んでたくさんオシッコをする)、食欲増進、お腹が膨れる、毛が抜ける、足腰が弱る、歩くのを嫌がる、といった症状が出てきます。しかしこれらの症状は老化現象にも見えるため、なかなか気づいてもらえないことも多くあります。
どうしたらいいの?
血液検査でホルモンの量を測定することで、クッシング症候群を診断できます。同時に他の内臓機能の血液検査や、レントゲン検査、超音波検査なども行い、他の病気ではないかどうかも確認します。
腫瘍の大きさによっては、手術や放射線治療などが必要になる事もありますが、腫瘍が小さければ、内服薬でホルモン量を抑えることで症状は改善します。お薬を飲み続ける必要はありますが、元気になり、毛も生えてくることでしょう。
クッシング症候群は、お付き合いしていくことができる病気です。 「年のせいかな」と思っていた上記の症状があれば、お早目にご相談ください。