どうしてなってしまうの?
食欲がない、嘔吐、下痢などの消化器症状は、食事や生活環境の変化、感染症など、様々なきっかけで発症します。
しかし、はっきりとした原因が分からないまま、慢性的な下痢を起こす病気を炎症性腸疾患(IBD)と呼びます。
何らかの遺伝的な異常によって、食事や腸内細菌などに関連した胃腸粘膜の免疫に異常が生じ、慢性の胃腸炎が起こると考えられています。
症状は?
食欲不振、嘔吐、下痢、血便などの消化器症状が慢性的に見られる場合が一般的です。「お腹を壊しやすい体質」と思われて、治療してもらえない場合も多いようです。
しかし、これらの消化器症状がなく、痩せてきたり腹水が溜まったりする場合もあります。
どうしたらいいの?
消化器症状を示す病気は非常にたくさんありますので、原因を調べるためにたくさんの検査を行う必要があります。
また、いくつかの診断的治療を行い、反応を見ることになります。さまざまな検査でこれといった病気が見つからず、食事療法や抗菌剤の内服でも完全には治癒しない場合に、炎症性腸疾患であると判断されます。
炎症性腸疾患は、単一の治療では改善が難しいため、食事療法、抗菌薬、抗炎症薬、免疫抑制剤などを組み合わせた長期的な治療を行うことになります。
そのため、薬の副作用にも注意が必要で、定期的に検査をしながら、徐々に薬の量を減らしていくことが一般的です。また、症状がなくなっても治療を中止すると再発することが多いので、最小限の治療を続けることになります。
適切な治療によって症状が改善すれば、上手にお付き合いしながら元気に過ごすことができる病気です。「うちの子は嘔吐や下痢をよくするなぁ」と感じている場合は、体質と思わずに早めにご相談ください。