どうしてなるの?
猫の上部気道感染症の原因はひとつではなく、ウイルス、細菌、クラミジアなど、複数の病原体が原因あるいは増悪因子として関与しています。特にウイルスは容易に感染が広がり、かつ症状が消えても猫がウイルスを保有し、ウイルスを排泄し続けるため、猫の健康管理においては非常に重要な病原体です。
免疫力の弱い幼猫、ワクチン接種を受けていない猫、他の病気に罹患しているあるいは何らかの病気を治療中の猫、といった免疫に影響を及ぼすような要因を持った猫が発症しやすいです。
症状は?
鼻汁やくしゃみが主な症状です。重篤な場合には肺炎になることもあります。前述のようにこの病気には様々な病原体が関与しているので、症状も若干異なります。
食欲や元気がなくなる、発熱、流涎や口内炎、舌の潰瘍、流涙と目ヤニ、充血や浮腫を伴う結膜炎が見られることも多くあります。また、関節炎を起こすこともあります。
症状によっては、血液検査やレントゲン検査を行います。
どうしたらいいの?
治療は原因や症状によって異なり、インターフェロンや抗生剤の投与、輸液や栄養補給などが必要になる場合もあります。多くの場合は2週間前後のの治療で改善しますが、幼猫や体が弱っている猫は命の危険もあります。また、病原体によっては症状改善後もウイルスを排泄し続けるので、症状の再発やほかの猫への影響も考慮しなければなりません。
この病気を引き起こす病原体はどこにでも存在します。忘れずに予防接種を行い、感染と発症の予防に努めることが極めて重要です。
混合ワクチン接種や症状については、お気軽にご相談ください。