症状は?
犬の拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなりながら収縮する力を失っていくという病気です。
僧帽弁閉鎖不全症などを合併することも多く、発咳や呼吸困難、失神、突然死などを引き起こします。一般に治癒することはありませんので、治療は基本的に症状を和らげるための対症療法となります。
どうしてなるの?
犬の拡張型心筋症の原因はよくわかっていませんが、一つの原因として、家族性もしくは遺伝性があるともいわれています。
また、二次性に発生する拡張型心筋症として、栄養性、感染性、自己免疫疾患、ある種の抗がん剤の投与によるものがあります。
どうしたらいいの?
不整脈や僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症などの心疾患を合併している場合には、聴診で異常音が聴取できます。
レントゲン検査で心臓の拡大や肺水腫、胸水や腹水の有無やその程度を診断し、心電図検査では、不整脈や心臓の左右の部屋に異常があるかどうかを診断します。さらに心臓超音波検査を行い、心臓内腔の拡大や、心臓の動きの低下などを診断します。
基本的に拡張型心筋症を治す薬はありません。対症療法を行うことで、犬のQOL(生活の質)を改善させていきます。合併して発症している病気によって、血管拡張薬や強心薬、利尿薬などを使用します。食事療法やサプリメントを服用する場合もあります。
拡張型心筋症は改善する病気ではありません。定期的な健康診断で早期発見に努めてあげてください。また、病気が発見され投薬を開始したら、症状が改善されたように見えても内服を中止せず、ずっとお薬を続けてあげましょう。
健康診断、心臓検診については、いつでもお気軽にご相談ください。