猫伝染性腹膜炎って?
猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)により発症する病気です。FIPVとは子猫に下痢などを引き起こす弱いウイルス、猫腸コロナウイルス(FECV)が突然変異したもので、発症すると症状が重く、死亡率が高い病気です。症状はウイルスに障害される臓器によって異なりますが、基本的な症状としては発熱、体重減少、腹水が溜まることによる腹部膨満、胸に胸水がたまり、呼吸がしづらくなるなどが多くみられます。その他にもぶどう膜炎という目に起こる症状や、肝臓や腎臓に障害を起こすもの、痙攣などの神経症状を起こすタイプもあります。初期症状が発熱や食欲不振のため、診断が難しい病気でもあります。
どうしてなってしまうの?
上記の通り、弱いコロナウイルスが強いFIPウイルスに突然変異することで発症します。その原因は詳しくは分かっていませんが、雑種猫に比べると、純血種に多く、成猫よりも子猫(生後半年未満)での発症が目立ちます。メスよりもオスで発症が多くみられる他、ストレスが原因の一つであるとも言われています。
どうしたらいいの?
猫伝染性腹膜炎を完全に治す治療法は確立されていません。無治療の場合予後が数週間、抗ウイルス薬、抗菌薬、免疫抑制剤などで治療を行っても数カ月であることが多いです。ただ、中には感染しても発症しなかったり、1年を超えても元気にしている猫も確認されているため、まずは日頃の観察や無駄なストレスの回避、体調を崩した場合の早めの受診が重要と言えます。