ジアルジア症って?
単細胞の原虫の一種であるジアルジアが、犬や猫の小腸に寄生することによって、下痢、食欲不振、腹痛を引き起こす寄生虫病です。腸管内を栄養型と呼ばれる扁平状の姿で遊泳し、腸管に付着することで栄養分を吸収します。多数の虫体が腸管に付着すると脂肪の吸収が阻害されて、脂肪分が多く含まれた下痢をしてしまいます。
どうしてなってしまうの?
ジアルジアは栄養型の状態では感染力は強くなく、胃液により死滅してしまいますが、ジアルジアに感染している犬や猫の糞便中にはシストと呼ばれる、感染性、外部環境への抵抗性がともに高いジアルジアの種のようなものも含まれています。このシストを他の犬や猫が経口的に取り込むことによって感染が起こります。小腸内で遊泳しているジアルジアは大腸に向かいながら順次シストを形成して、糞便とともに外に出てシストの状態で約1ヶ月も外で生き延びます。そのため、糞便だけでなくこのシストに汚染された水や土壌にも注意が必要です。
どうしたらいいの?
ジアルジアにはメトロニダゾールといった駆虫薬が有効です。病院では便検査によってジアルジアに感染しているかを調べることができるため、感染が確認された場合はお薬を飲むことで症状の改善が期待できます。ただ、粗相などによって家の中の床やおもちゃなどが糞便中のシストに汚染されてしまった場合は、濃いめの塩素や、熱湯などによって消毒をする必要があります。また、感染していても症状がない場合もあるためワンちゃんネコちゃんがお家に来たら、一度病院で便検査をして、寄生虫に感染していないか確認しておくのも大事なことといえます。